間瀬銅山 ~第三坑道突入編~

2014.07.07.Mon.21:07
途中から来た方や検索結果から来られた方は「TOPページ」から読まれることをオススメします。

少しでも廃坑道や廃鉱山に興味をお持ちの方は以下のサイトを必ず一読して下さい
http://ruin-explorer.com/danger/danger.html

先輩廃鉱山探索者の方が運営するサイトページです。
自分が廃鉱山の危険性を説くより、よっぽど分かりやすく直観的に危険性を理解できると思います。

リンクの許可をして下さった藤本さんにはこの場を借りてお礼申し上げます。

上記のページを読んでいただいたのなら理解できたと思いましたが、本当に危険な場所です。
ふと手をかけた場所が崩れ結果生き埋めになることも、隠れて見えない地下数百メートルにもなる立坑に飲み込まれる可能性等など・・・

また当ブログを参考にして如何なる損害が発生しても当方は一切の責任を負いません。




それでは、少なくともネット上では初公開と思われる坑道へ向かって状況開始!

相変わらず結構な標高にあり、道無き道を藪こぎしながら進んでいた。
ふと近場の岩場に目をやった・・・

ん!?

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これは!!


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明らかに人間が掘ったもので「大正二」あるいは「大正三」と読める!
大正2年~3年(1913年~1914年)は以前の調査から間瀬銅山の最盛期である事が分かっている。
この時ほど嬉しかった事はない。
これまでの調査で鉱山の稼働時期や最盛期は知っており、様々な遺構も見てきたが目に見える形で年代を示すものは少なかった。
しかし、これは100年も前に鉱夫がその手で岩肌を削り明確にその年代を現代に示している。

そして・・・恐らくこの年号は「仮称第三坑道」が掘られた時期を示すものであろう。
何故ならこの「年号」の付近に奴がいたからだ!

きたああああああああああああああああああああああああああああ

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見つけてしまった・・・
これが正直な感想だった。
見つけた興奮より恐怖の方が強かった。
観光坑道は歩いたことはあるが、これは完全な廃坑道。
因みに場所の特定を防ぐため抗口の写真は掲載していません。お許しを。

底を覆い尽くす泥のどこに立坑が隠れていて地中数百メートルに飲み込まれるかもわからない。

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突然の出水で一瞬にして坑道内部が水没するかも。
有毒ガスが充満してる可能性もあるし、何よりも無数に分岐する坑道で道に迷い永遠に陽の光を見ることができなくなるかもしれない。

30分程坑道を呆然と見つめ色々な事を考え決めた。
撤退!!

この手の世界では複数人による行動が大前提だがボッチなのは今に始まった事でないので仕方ない(´;ω;`)ブワッ
良き仲間が出来るまでそれは諦めよう。
ただし・・・あまりに装備が貧弱すぎた。
一応廃墟調査時のフル装備ではあったが地下坑道に入るにしてはあまりに装備が足りない。
相当な登山をした後ではあったが「勿体無い」より「危ない」が勝った。

と言った訳で一度撤収し、出来る範囲で知識や装備を整える準備期間を経て再び入坑しました。
まさに臥薪嘗胆。
これまでの記事でもそうでしたが実際は10回以上調査をしていますが、便宜上1つの記事にまとめています。

相変わらず怖くも美しい坑道内部

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内部は泥が膝近くまで堆積していて非常に歩きにくい。
先へ進もう。
段々と抗口から入る光も届かなくなり坑道を闇が支配し始めた。

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ふと上からの水を感じ、顔を上げてみると

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上部にも堀跡がありそこから勢い良く水が出てきている。
方向的には地表なので悪天候時にはココからの水が更に勢い良く流れるのかしれない。
そうするとこの泥の多さも納得だ。

おっ!
泥が少なってきた。
坑道も乾燥して歩きやすい。

(゚д゚)!
えっ!

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軌道だ!!!!!

これまでネット上や書籍でしか見たことのなかった坑道内に広がる軌道を見つけてしまった。
しかも・・・これ詳しい方なら既にお気づきのように木製!

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仮にこの坑道が最盛期の1913年~1914年頃のものだとしたら木製軌道が湿度100%に近い坑道内で残っているのは奇跡的な事ではないだろうか。
枕木から軌道まで全て木製だよコレ・・・
そんな木製軌道がひたすら続いているようだ。

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ふと壁面を見ると木が刺さっていた
なんだろ?
流石に木製軌道の時代に電化はされてないだろうし、ランプでもぶら下げてたのかな?

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更に進む
相変わらず軌道は続く

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そしてさっきから頭上や顔面スレスレに飛び回る無数のコウモリさん達・・・
羽音怖すぎコッチ来んな((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
      ↓
コウモリが居るって事は空気も有り有毒ガス等の心配も少ないんじゃ・・・
      ↓
何より一人じゃないってイイネ! ずっと一緒に居てくれ!

と今では良いお友達です。驚かせてゴメンよ。

入坑してから初と言ってもいい遺構が見えてきた。
支保工の残骸?
にしては他に支保工は見当たらない

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湿度の高い地下で100年前の木製軌道が残っている方が驚きだ
普通はこうやって崩れるだろう
もしかして坑道時代は大正のものだが戦中に資源不足のため掘られた時の軌道なのだろうか

ここから坑道は軽くカーブを始める

IMGP1985_R.jpg


相変わらず軌道は続く

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すると・・・
いよいよ来た
分岐だ!


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写真では二手に別れているように見えるが、実際は更に左方向にも分岐し合計3つに分岐している
便宜上、ココを第一分岐と呼ぼう

雑なペイントで書くとこんな感じ

無題 1_R

迷わないように印を残してからまず右方向を見てみよう。
ただ軌道は直進しているので本坑ではないだろう。

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ちなみに写真の左の小さな窪み
竪坑のようなものが水没している
万が一滑り落ちれば命はない

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ただコレより先、出水が多くなり崩落も多くなってきたため撤退した。
まずは本坑の調査を優先すべきだと思ったからだ。
この先は要調査区域だね。

元の第一分岐に戻り、左方向に伸びる道も覗いてみる。

無題 3_R

僅か2メートル程の屈まないと進めない道を進むと
あっ!竪坑だ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

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もう少しだけ近づいてみよう・・・
ひええええええええええ

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正確には斜坑でした。
ひたすらに闇・闇・闇
石を落としてみると・・・ひゅ~~~~~~~~~~~~~~~
8秒以上掛かった((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

怖すぎる。落ちれば誰にも発見されること無く永遠に地下に眠る事になる。
ただこの斜抗がある事で重大な事も分かった。
下層に降りる斜抗があるならば現在いる坑道が最下層ではなく更に下のレベルが存在することを意味する。
・・・多分

ただこの坑道、下だけでなく上にも伸びてた。
見にくいけど見上げると斜め上にこんな感じで分岐してます。
恐らくシュリンケージ採掘の跡だろう。

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こんな危ない場所は早々に離れよう
ちなみにこの第一分岐、入った時から分かっていたけど軽く崩れている。

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天井部分というより本坑と右方向に伸びる道との境となる壁面が崩れたようだ。

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元々崩れやすかったのか補強の跡も見られる

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壁面が崩れ右方向に見える坑道がコチラからも視認できる

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さあ本坑を先に進もう。

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相変わらずコウモリさんが一緒にいてくれて安心できる。

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おっ?

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また分岐だ!

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軌道のある本坑は右方向に伸びている。
分岐の全体図はこんな感じ

無題_R

まず正面に既に見えている小さな支道
這って進まなければならない程に狭く侵入は断念した
ただ結構な距離がありそうだ

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そして左方向
この坑道に入って初めて見る支保工だ。
ただその支保工も腐り、その役目は果たしていない

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なおこの支保工の先から下層部が顔を覗かせていた。
立坑や斜坑ほどの危険さは感じないものの落ちれば間違いなく這い上がることは不可能な斜度だった。
しかもそこから見える下層部は水没しているようだった。

そして坑道自体も下層部への穴があるため近づきにくい事に加え、崩落が多く近づく事はやめておいた。
ただコチラも距離がありそうなので今後も要調査だ

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右方向へ大きくカーブする本坑に目を向ける
すると坑道内部がコレまでと随分雰囲気が変わった事に気がつく。
支保工が示すように崩落が多くなり、湿度も更に上昇したように感じる。

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これは・・・銅なのかな?
鉱物は詳しくないので分からないが綺麗なような毒々しいような

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軌道もここで途切れていた。
またこれまで一緒にいてくれたコウモリさんも姿を見せなくなり怖かった

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そして暫く前進すると・・・

おおおおおおおおおおおおお


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スゴイものが多すぎて興奮がインフレ化した現状でも更に興奮を呼ぶ物
それは激しく崩落してしまってる太い支保工でも「第三分岐」となった分岐点でもない
この凄く良い形の支保工に興奮した!

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なんだか知らないが支保工が好き。
物言わず鉱山を守る姿なのかその造形美なのか分からないが惹かれる。

相変わらず軌道は姿を見せず、今回は道幅も似たようなものでどちらが本坑か判断がつきにくい。
取り敢えず素敵な支保工の方へ行ってみよう。

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相変わらずこの近辺は支保工の存在が示すように崩れやすい地層のようだ。
ただ崩れているのは岩石というより土砂が多い。

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道幅も更に狭くなり崩落も多くなる。
コチラは本坑ではなさそうだ。
崩落も多く怖いので引き返す。

ただいま例の支保工ちゃん。

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先程の第三分岐点へ戻ってきた。
次は左方向に進んでみよう。

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足跡だ!!

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これまで自分以外が足を踏み入れた痕跡をみつけることは無かった
しかし、泥が堆積したこの坑道にその痕跡がしっかり残っていた。

泥の中に竪坑が隠れているかもしれないので、できるだけ先駆者の足跡と同じ場所を通るようにして進む
するとやっと軌道が復活した!

やっと会えたね!

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泥ゾーンを歩いている時、足の感触から下に軌道が沈んでいるのではないかと思ったが正確だったようだ。
コウモリが坑道内のお友達ならば軌道は無数に分岐する坑道内でのナビゲーターだった。
なので、また姿を表してくれて嬉しい!

しかしどうもココは怖い。
そう感じる原因は恐らく何度もカーブし先を見通せないからだ。
先に何が現れるか分からず恐ろしい。

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あっ!

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崩れてる!!

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崩れやすい区域である事を支保工自身がその身を持って伝えてくれている。
更に盛大に水の音がする。

崩落地点に近づいてみるとそこは小さなホールのようになっていた。
軌道も崩落に飲み込まれるようにして先へ伸びている。

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少しの衝撃で大規模な崩落が発生する可能性もあり注意して近づいてみる。

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本坑は先は続いており、遠くには軌道も確認することが出来た。

その時!!Σ(´∀`;)

ぶほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

一時期流行ったブブゼラのような音と共に地面から白い霧が噴き出してきた!!

その様子は写真にも偶然映すことが出来た。

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目を凝らして見てみるとそこには竪坑あるいは斜坑がそこにはあるようだ。
第二分岐点と同じように下層階がこの下にも広がっているのだろうか。

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本坑と軌道の先は大変気になる。
しかし流石にこの崩落地点を超えるのは怖いし、実際に相当の危険箇所であることは間違いないのでやめておいた。
少しでも衝撃を与えれば、数トンの土砂が自身を圧死させかねない。
少なくとも単独で突入できるような場所ではない。

という訳で前進は諦めてこの小ホールを観察することにした。
すごい色だな・・・。
鉱物の成分が溶け出した結果だろう。地上では見ることのない毒々しい色だ。

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更にコチラは鉱山にいること強く意識させる
同じく鉱物の成分が溶け出しつらら状になっている

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この意図的に曲げたような釘は何に使われたのだろうか。
ランプ等を吊るしてた?

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そしてこの小ホール
奥に坑道があった!

二手に別れており右側のは採掘用に掘ったようで斜め上に伸びていた。

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少し先を見てみよう

っと危なっ(((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

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踏み抜く前に気がついて良かった。
端の方には下層階が広がっているようだ。

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気が付かず滑り落ちたり周囲を踏み抜いていればヤバかった・・・
コレが意図的に開けた開口部なのか崩落により現れた入り口なのかは分からない。
ただこれまで見てきた斜坑等を見る限り、やはり現在いる坑道とは異なる下層階が存在するようだ。

肝心の支線も先程の事件もあり、下手に進むのは危険と思い確認はしていないが閉塞している可能性が高い

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単独行動で進み調査できる範囲の場所はある程度見ることが出来た。
また入坑時より随分時間も経過しており下山時刻も迫っていたため帰路に就くことにした。



外の光が文字通り一寸先も見えない暗闇に慣れた目には眩しい。

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大袈裟ではなく無事生きて外に出られた安堵感と一年以上の調査の結果、遥か昔に崩落して存在しないと思われていた坑道をこの目で見る事ができた達成感でなんとも不思議な気持ちで一杯だった。
この坑道も更に調査が必要だが、周囲の山々には数多くの鉱山がまだまだあり、今後もこの辺りをホームに遺構を探し調査を進めようと思う。
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コメント
感激しました。
日々ご活動お疲れ様です。
今回のレポも感激しました。
木製軌道はほんと貴重ですね。
引き下がる事も勇気!
これからもご安全に活動して下さい。
藤本 拝
>>藤本さん

藤本さんに褒めていただけるなんて逆にコチラが感激してしまいます 笑
不明な点も多いですが木製軌道が残っているのはほんとうに貴重ですよね!
今はとにかく色々勉強し吸収して、より活動を充実発展させて行きたいと思っています。

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